『補助金』とは、経済や地域の活性化等を目的とした資金であり、『助成金』とは、雇用や労働環境の改善等を目的とした資金です。どちらも基本的には返済不要のお金であり、様々な事業者向けに国や地方公共団体等から資金を提供するものという点で共通しています。

新型コロナウイルスがその爆発的な感染力や変異性によって猛威を振るって約2年。2021年12月現在、国内での感染状況はやや小康状態にあるとはいえ、オミクロン株といった新しい変異株が次々と発見され、予断を許さない状況が続いています。店舗の自粛休業・海外からの輸出入の制限・観光客の激減等により、業種問わず、苦しく先の見えない状況となっています。

連日報じられているように、新型コロナウィルスによる事業者様への影響は計り知れないものがあり、その影響は引き続き深く重く事業者様にのしかかってくる事になります。そんな中で、国内経済を支えるべく、大小さまざまな補助金・助成金の審査が行われています。

助成金や補助金の申請業務はかなり煩雑であり、刻一刻と変わる状況にあります。常にアンテナを張っておかないと、知らない間に申請期間が終わってしまっていたり、実はまだ継続していたり、新しい補助金・助成金・給付金が行われていたりと、事業者様を助ける補助金・助成金は多岐にわたります。

では、行政書士が取り扱う補助金・助成金の申請はどのような手続きで行われるのでしょうか?申請から受給までの流れをご紹介します。

補助金・助成金申請から受給までの流れ

1.申請要件の確認

申請要件を満たしているか確認していきます。交付を受けたい補助金・助成金の募集要項を調べて、申請可能かどうかを判断していきます。

2.申請書の作成提出

申請要件を満たしていることが確認できたら、事業計画等を具体的かつ明確に申請書に記載していきます。事業計画については、実現可能なものにで、会社の経営状況や目標をわかりやすく記載していくことがポイントです。そして、必要な添付書類等を添えて申請書を提出します。

3.審査

補助金・助成金の種類、応募状況によっては、2次審査として面接があることもあります。審査に約3か月程度かかるものもあります。

4.補助事業の実施

採択が決定された場合、事業計画に従って補助事業を実施します。支出の根拠となる見積書や領収書等はきちんと整理しておきます。事業計画に大きな変更がある場合には、変更申請書を提出する場合があります。

5.報告書類を作成・提出

報告書類を作成して提出します。この期間は短く、約2週間程度の期間しかない場合が多いようです。

6.補助金・助成金の交付

補助金・助成金の交付を受けます。ただし、補助金・助成金の交付後も、定期的に事業の状況報告をする必要があります。

行政書士による補助金・助成金申請業務の注意点

1.公募期間の確認

補助金や助成金は募集期間というものがあり、経済産業省系のものでは、募集期間が短いものが多いです。そのため、公募期間をしっかりと確認して、期間を過ぎないよう申請する必要があります。

2.事業計画しっかり

補助金や助成金申請において、特に事業計画が大切となります。事業がどのように進んでいくのか、理由を交えながら細かく書く必要があります。事業計画については、申請者様と相談しながら綿密に作成していきます。

3.補助金は後払いが原則

補助金は後払いが原則です。今すぐ欲しいと思ってもすぐに受給できるわけではありません。公募の開始から補助金が実際に交付されるまでに1年以上かかる場合もあり、その点について行政書士に依頼する前に確認する必要があります。

4.行政書士は厚生労働省系の助成金は取り扱うことができない

行政書士は、ほとんどの補助金・助成金の申請を取り扱うことができますが、厚生労働省系の助成金は社会保険労務士が取り扱うもので、行政書士は取り扱うことができません。この点については注意が必要です。以下に、厚生労働省系の助成金についていくつか記載します。

雇用調整助成金

労働移動支援助成金

特定求職者雇用開発助成金

障害者トライアル雇用奨励金

高年齢者雇用安定助成金

精神障害者等雇用安定奨励金

キャリアアップ助成金 等

補助金・助成金申請業務に対する当事務所のスタンス

新型コロナウイルスに関連する補助金・助成金を始め、各種補助金・助成金はいわゆるキャッシュバックであり、資金繰りに苦しんでいる事業者様のためのものです。補助金・助成金がその事業者様のためのものである以上、『丸投げ』での申請代行は行っておりません。あくまで申請者様と二人三脚で行うものであることをご理解ください。